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学習性無力感の克服

以前、「長期デフレが招く学習性無力感と鬱」について書かせてもらいましたが、まだちょっと書きたりないことがあったので続きとして書かせてもらいます。

前回の記事はこちら⇩

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学習性無力感に駆られていくと、つまり受動性が高まっていくと「回避型」の人格か「不安型」の人格になります。

回避型の人格とは、他者への防衛的振る舞いしかできなくなることです。つまり受動性が強いので常に何かに攻め込まれている状態。

ある程度までは仮面をかぶって相手に譲るが、譲れないところにまで踏み込まれそうになった時、趣味の世界に閉じこもったりして逃げる。逃げるというと悪い印象を受けるかもしれないが、逃げる場所を持っているだけまだいいのです。

そして逃げ場所さえなくなったのが「不安型」です。そうなってしまった人間はどうなるかというと、「この人だ!」と思ったときにその人間に過剰に依存するようになる。信者ビジネスに陥ってしまうのはこういう人たちに多い。

しかし依存した人間に裏切られたとき、今度は異様にその人を攻撃しだす特徴もある。

ここまで書いてきたのが「悪循環パターン」です。説明すると、

①受動性が過剰。つまり前回書いた、電気ショックを常に受け続けている状態のようなものです。

②学習能力が低下する。

③今自分が置かれているこの因果。つまり文脈が見えなくなる。わかりやすく言うと、顔のすぐ近くに本を持ってこられると字が読めないですよね。しかし数十センチ離すと読めるようになる。その本と自分までの距離が「余裕」なんです。その余裕がないと今どういうことが起こっているのか対象化できないのです。

④不安の増加。因果が見えないと人は「この先どうなるんだろう」と不安になり益々あたふたします。

⑤毒と薬の見分けがつかなくなる。言い換えると精神的な不感症。感性もなくなり、判断力もない状態になります。

⑥良いカップリングが持てない。ものすごく簡単に言うと、自分の生き方がわからなくなるということです。

⑦行き当たりばったりになる。

 


どこかでこの悪循環パターンを切らなければならない。それにはこの逆の好循環パターンに自分の足を向けていかなければならないのです。

好循環パターンになると、「安定型」の人格形成というものが出来てきます。つまり揺らがぬ感情を基軸として他者と柔軟に接することができるようになるのです。

揺らがぬ感情とは何か。先ほど書いた「良いカップリング」のことです。

『こことカップリングしたら俺は揺るがない。これさえあればいい』というのを基軸にして、そこから仮面を一枚、二枚、ここは十枚だなというように被ればいいのです。それが他者との柔軟な距離感になってくるわけです。

仲間でも彼女でも家族でも何でもいいです、自分が安心できるホームがあるから外に出て行ったときにビジネスであれ何であれ仮面をかぶることができるのです。

しかし仮面しかないと息苦しくて噴火します。過激に言えば人格破綻を起こします。あくまでも自分に軸を持った人間だけが仮面をかぶれるのです。

好循環パターンを説明すると、

①受動性が抑制される。

②学習能力が向上する。(余裕が生まれる)

③因果が見えるようになる。(なぜ今自分がこうなっているのかが見える)

④能動性が増加する。(自分の位置がわかるので、こういう因果だから次はこうなるからこうしようという気持ちが湧いてくる)

⑤毒と薬を見分ける能力が向上する。(時、場所、場合による物事の判断ができるようになる)

⑥良いカップリングが持てる。(自分の生き方が自覚できる)

⑦己の「流儀」に自信が持てるようになり、人との出会いを進化させることができる。

 

私は仕事柄多種多様な職業の方と出会うし、若い人との出会いも非常に多い。そんな中でたまに、「もし社会がこんなんじゃなかったら俺の人生はもっと違っていた」と言う人がいる。

確かに言う通りの部分もあるし、私もロストジェネレーションの一人なので気持ちは痛いほどわかる。

しかし私はいつもこう言います。

あなたの人生は一度きりでしょう。今の世の中がどうであろうがこの時代に生まれた以上ここで生きていかなければならない。世の中を恨んで生きるのはあまりにも悲しい。

まずは自分の仮面ではない素面の部分。つまりホームグラウンドは自分で作るしかないんだと、これだけは1人1人がやるしかないと。

何でもいいです。恋人、友達、先生、家族、師匠、その方たちとの関係を深めていって自分のホームを作って受動性を抑制する。それが私たちができる最善の策なのではないでしょうか。

 

 

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