『Friday Night Lights』は、アメリカの高校フットボールの文化を描いた映画であり、テキサス州の小さな町で行われるフットボールの試合に焦点を当てたノンフィクション。監督は、ピーター・バーグ、出演者にはビリー・ボブ・ソントン、デレク・ルーク、ギャレット・ヘドランド、ルーカス・ブラックなどがいます。
この作品は男性の、特に学生時代スポーツを真剣にやっていた方にはえぐいほど刺さるんじゃないでしょうか。
私はもう10回以上観ていますが毎回ヤバいぐらい泣いてしまって人に見られるのが恥ずかしいので必ず一人の時に観るようにしています。元々原作が非常に人気があり、テレビドラマにもなったみたいですね。ちなみにそちらは観ていません。
本作の最大の魅力は、登場人物たちのリアルな描写にあります。 特にフットボールの選手たちや、その家族が持つ人間的な魅力。ドンはフットボール選手として才能はあるものの、家庭の事情や、将来への不安などに悩まされています。
更に有名プレイヤーだった父親からのプレッシャーは時に常軌を逸し、虐待に発展することも。そのため自信がなく自己評価の低さに悩んでいるようです。
スター選手のブービーは大学のスカウトやマスコミから注目の選手でしたが、試合中相手選手の悪質なプレーにより選手生命を絶たれてしまいます。
仲間たちの前では気丈に振舞うブービーですが、叔父が待つ車に乗ったとたん泣き崩れ「アメフトしか知らないのにこれからどうやって生きていけばいい」と感情をぶちまけます。胸をえぐられるシーンでした。
また、本作はフットボールに焦点を当てているだけに、その試合の場面も非常にリアルに描かれています。勝利に向けて練習し、チーム一丸となって戦う姿は非常に臨場感があり興奮しますし、観た人は選手たちの情熱に共感することができます。
更に本作は、アメリカの小さな町の文化を描いた作品にもなっています。フットボールは町の中心的な存在であり、人々は週末になると試合を楽しみにしている。
その熱狂的な雰囲気が非常にリアルに描かれていて、町民はフットボールを通じて結束し、学生たちに期待するあまり余計なプレッシャーを与えてしまっています。
試合に負けた後は、監督の家に「出ていけ」「売り物件」などと書かれた看板が立てられていたりと、町民の期待が大きすぎるあまり、監督の家族は追い詰められていきます。
円谷幸吉も想像を絶するようなプレッシャーと戦っていたのでしょう。過度な期待は時に人を殺すのです。
州大会の試合シーンで流れる音楽は、観客の感情を高め、試合の緊張感を一層引き立たせています。
本作のテーマである「夢を追うことの素晴らしさ」と「困難を乗り越えることの大切さ」は、とても心に響きます。選手たちは自分たちの夢を実現するために、それぞれの困難に立ち向かっていく。そして、その困難を乗り越えた時の彼らの達成感や成長はとても感動的かつ清々しいものです。
総じて『Friday Night Lights』は、フットボールの試合を通して描かれる登場人物たちの人間的な魅力や、家族の愛情、地域の文化や熱狂的な雰囲気などなど、観るものを引き込んでいく力があります。
フットボールのルールなど全く知らなくても大丈夫です。私も知りません。フットボールの魅力を存分に味わいたい人や、人間の成長や夢を描いた作品を求めている人には必見の作品です。あと泣きたい人。
私自身、本作を鑑賞した際にフットボールの熱狂的な雰囲気や、登場人物たちに感情移入して後半泣きっぱなしでした。 特に、試合後ドンの父親が、自分が優勝した時の指輪を息子の指にはめてあげるところはヤバかったです。
あんなにドンにつらく当たって虐待に近いようなことをしていたのに…
息子の成長を認めた瞬間でした。
このシーンは毎回嗚咽するほど号泣してしまいます。『火垂るの墓』でもこんなにはなりません。ちなみに火垂るの墓は中学生の時以来観ていません。というか辛すぎて観れません。節子の声を聴いただけで泣いてしまいます。
ちょっと脱線しましたが、とにかくこの『Friday Night Lights』は私の中で一番泣ける映画です。自信をもってお勧めします。