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狩れ、進化せよ!モンスターハンター20年の軌跡

2004年にカプコンから発売された『モンスターハンター』(以下、MH)シリーズは、世界的な人気を誇るハンティングアクションゲームです。プレイヤーはハンターとして巨大なモンスターと戦い、素材を集めて武器や防具を強化しながら、より強力なモンスターに挑むというゲーム性が特徴です。

本記事では、シリーズの歴史を振り返りながら、その進化と挑戦の軌跡をたどります。

 

 

モンスターハンターの誕生(2004年)

1. 開発の背景:オンラインゲームへの挑戦

2000年代初頭、ゲーム業界ではオンラインマルチプレイが徐々に注目を集めていました。カプコンもオンラインゲーム市場への進出を考えており、その一環として「協力プレイを前提としたアクションゲーム」の開発を開始しました。

当時のオンラインゲームといえばMMORPG(多人数同時参加型RPG)が主流で、『ファイナルファンタジーXI』(2002)などが人気でした。しかし、カプコンは「アクションゲームをベースにしたオンライン協力プレイ」という新たな試みに挑戦しようと考えました。

開発を担当したのは『バイオハザード』シリーズのクリエイターたちです。彼らは「銃を使わず、剣や槍などの近接武器で戦うゲーム」というアイデアを元に、独自のゲームシステムを構築していきました。

 

2. 初代『モンスターハンター』(2004)の特徴

(1) 大型モンスターとのリアルな狩猟

従来のアクションゲームは、敵を倒すことが主目的でした。しかし、『モンスターハンター』では、モンスターを「狩る」こと自体がゲームの中心となっています。

  • ターン制バトルではなく、リアルタイムのアクション戦闘
  • モンスターごとに異なる生態と行動パターンを持つ
  • 弱点を突いた攻撃や部位破壊など、戦略的な戦いが求められる

(2) 武器ごとの異なるアクション性

  • プレイヤーは大剣、片手剣、ランス、ハンマー、ボウガンなどの武器を使い分けて戦います。武器ごとに操作感が異なり、アクションゲームとしての奥深さを生み出しました。

(3) オンライン協力プレイの導入

  • 当時のPS2では、オンラインゲームはまだ珍しい存在でした。『モンスターハンター』は最大4人での協力プレイを導入し、プレイヤー同士が役割を分担して戦う楽しさを提供しました。
  • 例)「タンク役がモンスターの攻撃を引きつけ、アタッカーが攻撃し、サポート役が回復する」など、チーム戦略が生まれる

(4) クエストと素材収集要素

  • クエストを受注し、モンスターを狩って素材を集めることで武器や防具を作成できるシステムも画期的でした。
  • ただ狩るだけでなく、装備を強化しながらより強いモンスターに挑む成長要素がプレイヤーを惹きつけました。

 

3. 当時の評価と影響

(1) 初期の評価:難易度の高さとオンライン環境

初代『モンスターハンター』は、その独特なゲーム性から初心者には敷居が高いと感じられることが多く、発売当初はそこまで大ヒットにはなりませんでした。

主な理由として、

  • アクション操作の難しさ(ローリング回避や攻撃の硬直など)
  • オンラインプレイ環境が整っていなかった(PS2のネット環境は普及していなかった)
  • ソロプレイの難易度が高い(オンライン前提のゲームバランス)

が挙げられます。

 

(2) コアゲーマーの支持と後のシリーズ展開

しかし、徐々にコアゲーマー層の間で口コミで広がり、オンライン協力プレイの楽しさが注目されるようになりました。その結果、2005年には『モンスターハンターG』、2006年には続編となる『モンスターハンター2(ドス)』が登場し、シリーズの基盤が築かれていきます。

特に、2005年に発売された『モンスターハンターポータブル』(PSP版)は、持ち運びが可能な携帯機という特性から大ヒットし、シリーズの人気を決定的なものとしました。

 


シリーズの発展と進化(2000年代)

1. PS2時代の進化(2004年〜2006年)

(1) 『モンスターハンターG』(2005年)

初代『モンスターハンター』(2004年)の改良版として登場したのが『モンスターハンターG』です。主な追加要素として以下の点が挙げられます。

  • G級クエストの追加(上位クエストを超える高難度のクエスト)
  • 双剣の追加(シリーズ初の新武器)
  • カラー変更可能な防具(キャラカスタマイズの自由度向上)

これにより、よりやり込み要素が強化され、コアなハンターたちに支持されました。

 

(2) 『モンスターハンター2(ドス)』(2006年)

PS2での本格的な続編となった『モンスターハンター2(ドス)』は、大幅なシステム変更と新要素を導入しました。

主な進化ポイント

  1. 新しい武器種の追加
    • 太刀・弓・狩猟笛が追加され、武器のバリエーションが増加。
  2. 季節・時間の概念
    • フィールドの「寒冷期」「繁殖期」「温暖期」によって、モンスターの生息状況が変化。
    • 昼夜の概念も導入され、モンスターの行動パターンが変わる。
  3. 新モンスターの大量追加
    • ティガレックス、クシャルダオラ、ラオシャンロンなど、現在でも人気のモンスターが初登場。
  4. オンライン要素の強化
    • PS2のネットワークサービスを活用し、多くのプレイヤーがオンラインで協力プレイを楽しんだ。

『モンスターハンター2(ドス)』は、システム面での大幅な進化を遂げましたが、オンライン前提の難易度調整やPS2のネット環境の普及率の低さから、まだ一部のコアゲーマー向けの作品という印象がありました。

 

2. PSPでの大ブレイク(2005年〜2011年)

(1) 『モンスターハンターポータブル』(2005年)

PSP(PlayStation Portable)で発売された『モンスターハンターポータブル(MHP)』は、シリーズのターニングポイントとなりました。PS2版『モンスターハンターG』をベースにしながら、携帯機向けに最適化されていました。

携帯機ならではの魅力

  • 手軽にプレイできる(据え置き機に比べ、持ち運び可能)
  • アドホック通信を利用したローカルマルチプレイ(友達と集まって狩る楽しさ)
  • オフラインでも遊びやすい調整

これにより「モンハンを友達と一緒に遊ぶ文化」が生まれました。

 

(2) 『モンスターハンターポータブル 2nd』(2007年)

MHPの成功を受け、さらに進化した『モンスターハンターポータブル 2nd(MHP2)』が発売。

主な進化ポイント

  • 『ドス』の要素をベースに新モンスターを追加(ティガレックス、ナルガクルガなど)
  • 拠点「ポッケ村」の登場(シリーズでおなじみの村が初登場)
  • 武器のバランス調整(太刀や弓の使いやすさ向上)

PSPというハードの普及と相まって、MHP2は大ヒットしました。

 

(3) 『モンスターハンターポータブル 2nd G』(2008年)

シリーズの大ブレイクを決定づけたのが『モンスターハンターポータブル 2nd G(MHP2G)』です。

大ヒットの理由

  • G級クエストの追加(高難度クエスト&報酬の強化)
  • 新モンスター「ウカムルバス」「ヤマツカミ」などが登場
  • オトモアイルーの登場(プレイヤーをサポートするアイルーが仲間に)

この作品は国内累計400万本以上を売り上げ、モンハンブームを決定的なものにしました。また、この頃から「モンハン=みんなで集まって遊ぶゲーム」というイメージが定着し、ゲーム業界にも影響を与えました。

 

3. 2000年代後半のシリーズ展開

(1) 『モンスターハンター3(トライ)』(2009年、Wii)

2000年代の終わりに登場したのが『モンスターハンター3(トライ)』(MH3)です。シリーズ初の任天堂ハード(Wii)向けタイトルであり、いくつかの大きな変更がありました。

主な特徴

  • 新モンスター「ラギアクルス」「アルバトリオン」などが登場
  • 水中戦が導入され、新たな狩猟スタイルを確立
  • 武器種の整理(ガンランス・弓が一時的に削除される)

『モンスターハンター3』は、従来シリーズとは異なる新たな試みを行いましたが、水中戦の難易度やオンラインサービスの終了などの影響で、評価は賛否が分かれる部分もありました。

 


新世代機への挑戦(2010年代)

1. 3DS時代:ニンテンドーハードでの発展(2011〜2017年)

(1) 『モンスターハンターポータブル 3rd』(2010年、PSP)

PSPでの最後の大作となったのが『モンスターハンターポータブル 3rd(MHP3)』です。

主な進化

  • 和風の新拠点「ユクモ村」が登場
  • 新モンスター「ジンオウガ」がシリーズの新たな顔に
  • 水中戦を削除し、シンプルな狩猟アクションへ回帰

国内累計約500万本を売り上げ、PSPモンハンの集大成となりました。

 

(2) 『モンスターハンター3G』(2011年、3DS)

シリーズはPSPからニンテンドー3DSへ移行。最初の作品となったのが『モンスターハンター3G』です。

主な進化

  • 『MH3』のシステムを継承しつつ、G級クエストを追加
  • 新モンスター「ブラキディオス」の登場
  • タッチパネルで快適なアイテム操作が可能に

 

(3) 『モンスターハンター4』(2013年、3DS)

シリーズの大きな転換点となったのが『モンスターハンター4(MH4)』です。

主な進化ポイント

  • シリーズ初のフィールドの高低差&ジャンプ攻撃を導入
  • 新武器「操虫棍」「チャージアックス」が追加
  • 「ギルドクエスト」や「探索」などの新コンテンツ

『MH4』は3DSの普及とともに大ヒットし、国内累計400万本を突破しました。

 

(4) 『モンスターハンター4G』(2014年、3DS)

『MH4』のG級版として登場し、さらにボリュームアップ。

  • 新モンスター「セルレギオス」が登場
  • 歴代看板モンスターが多数復活

携帯機でのモンハンブームをさらに加速させました。

 

(5) 『モンスターハンタークロス』(2015年)&『モンスターハンターダブルクロス』(2017年)

従来のシリーズとは異なる「スタイル・狩技システム」を導入。

  • 4種類の狩猟スタイル(ギルド・ストライカー・エリアル・ブシドー)
  • 強力な必殺技「狩技」
  • 過去作の拠点やフィールドを多数復活

『モンスターハンターダブルクロス』では「ブレイヴスタイル」「レンキンスタイル」が追加され、より多彩な狩猟が可能になりました。

 

2. 据え置き機への回帰:『モンスターハンターワールド』(2018年)

2018年、モンハンは遂にPS4・Xbox One・PCという据え置き機向けの『モンスターハンターワールド(MHW)』を発売しました。

主な進化ポイント

  • シームレスなオープンワールドフィールド
  • ロードなしでエリア間を移動可能
  • 環境を活かした戦闘(ツタ罠や落石など)
  • 全世界同時発売&グローバル展開

『MHW』は全世界1,800万本以上を売り上げ、シリーズ最大の成功を収めました。

 

3. 2010年代後半:さらなる進化と拡張

(1) 『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(2019年)

『MHW』の大型拡張として登場し、「G級」相当のマスターランクが追加されました。

  • 新フィールド「渡りの凍て地」
  • 新モンスター「イヴェルカーナ」「ラージャン」などが登場
  • クラッチクローによる戦術の変化

『アイスボーン』は500万本以上のセールスを記録し、『MHW』の人気をさらに押し上げました。

 

4. 2010年代のモンハンの進化まとめ

2010年代は、モンハンが携帯機での成功を収めながら、最終的に据え置き機で世界的なヒット作を生み出した時代でした。

時期 主要作品 主な特徴
2010年 MHP3(PSP) 和風の世界観、ジンオウガ登場
2011年 MH3G(3DS) G級追加、ブラキディオス登場
2013年 MH4(3DS) フィールドの高低差、操虫棍・チャージアックス
2014年 MH4G(3DS) G級追加、セルレギオス登場
2015年 MHX(3DS) 狩技&スタイル導入
2017年 MHXX(3DS/Switch) スタイル追加、歴代拠点・フィールド復活
2018年 MHW(PS4/PC) オープンワールド化、環境を活かした戦闘
2019年 MHW:IB(PS4/PC) G級相当のマスターランク追加

この流れが、2021年に発売されたNintendo Switch向けの『モンスターハンターライズ』へと繋がっていき、2025年『モンスターハンターワイルズ』に集約されます。

 

モンスターハンターの未来と展望

1. 最新作『モンスターハンターワイルズ』(2025年)

2023年12月の「The Game Awards 2023」で発表された『モンスターハンターワイルズ(Monster Hunter Wilds)』は、シリーズの新たな進化を予感させるタイトルです。

(1)新たなモンスターと生態系

  • 本作では、多彩な新モンスターが登場し、その生態系もリアルに表現されています。モンスター同士の縄張り争いや、群れでの行動など、これまで以上に複雑でダイナミックな生態が描かれています。 

(2)シームレスなフィールドと拠点の融合

  • フィールドと拠点がシームレスに繋がっており、ロードを挟まずに移動が可能です。これにより、ゲームの没入感が向上し、よりリアルな狩猟体験を提供しています。

(3)新アクションと戦闘システムの進化

  • 各武器種に新アクションが追加され、戦闘の幅が広がっています。特に、「集中モード」や「傷口」システムなど、新たな要素が導入され、戦略性が高まっています。

(4)乗用動物「セクレト」の導入

  • 新たな移動手段として、乗用動物「セクレト」が登場します。これにより、広大なフィールドを効率的に移動でき、探索の自由度が増しています。 

(5)サポートハンターとの共闘

  • オフライン時でも、NPCのサポートハンターと共闘が可能です。救難信号を出すことで、オンライン時に人が集まらない場合でも、人員を補充して狩猟を進めることができます。

 

2. 未来のモンハンに期待される進化

(1) AIとモンスターの進化

  • AI技術の発展により、モンスターの行動パターンがよりリアルに
  • プレイヤーの戦い方に適応するモンスターが登場する可能性

例えば、プレイヤーが罠を多用すれば、それを回避する行動を取るモンスターが生まれるかもしれません。

 

(2) 新しい武器・戦闘スタイルの追加

シリーズごとに新武器が追加されてきましたが、新たな武器カテゴリーの導入も期待されています。

  • 遠近両用の武器(ブーメランのような投擲武器+近接攻撃)
  • 環境を利用したトラップ系武器

また、既存の武器でも戦闘スタイルやスキルシステムが進化し、より個性的なプレイが可能になるかもしれません。

 

(3) マルチプレイの拡張

  • 最大16人以上のマルチプレイミッション(大規模モンスター討伐など)
  • PvP要素の導入(ハンター同士の対戦モードなど)

 

(5) VR・AR技術の活用

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術が進化する中で、モンハンにもこれらの技術が活用される可能性があります。

  • VRでのリアルな狩猟体験
  • AR技術を活用したリアルイベントとの連携(ポケモンGOのような体験型モンハン)

 

3. モンハンの新たな可能性

(1) ストーリー重視のRPGモード

『モンスターハンターストーリーズ』シリーズのように、ストーリー主導のRPGモードが追加される可能性があります。

  • ハンター個人の成長を描くシナリオモード
  • 村やギルドの発展要素を含むRPG的なゲームシステム

 

(2) eスポーツ・競技シーンへの展開

モンハンは基本的にPvE(プレイヤー対モンスター)のゲームですが、競技性のある「タイムアタック」や「スコア制狩猟」が本格的に導入される可能性もあります。

  • スピードラン(討伐タイム競争)公式大会
  • ハンター同士のPvPバトル(狩猟技術を競うモード)

 

まとめ

『モンスターハンター』シリーズは、2004年の初代作品から始まり、数々の進化を遂げながら20年近くにわたって世界中のハンターたちを魅了してきました。

PSP時代の爆発的な人気、ニンテンドー3DSへの移行、そして『モンスターハンターワールド』による世界市場での大成功。時代とともに、モンハンはハードの進化に適応しながら、よりリアルで没入感のある狩猟体験を追求してきました。

そして、2025年にはシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』が登場し、さらなる新境地へと踏み出します。シームレスなフィールド、天候や生態系の変化、進化した戦闘システムなど、これまでのシリーズを超える挑戦が待ち受けています。

モンハンは常に「狩る楽しさ」を追求しながら進化を続けてきました。これからも、新たなモンスターとの出会い、仲間との共闘、そして次なる狩猟の興奮が私たちを待っています。次なる大狩猟時代を、一緒に迎えましょう!

 

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