あなたは「スーパーフード」と聞いて、どんな食材を思い浮かべますか?
おそらくチアシード、アサイー、キヌア、マカ、アーモンドなど、海外発の健康食品を想像する方が多いでしょう。しかし、実は日本にも、古くから食卓に根付いた「隠れたスーパーフード」が存在します。それが、海の恵み「イカ」です。
イカは昔から、刺身、煮物、焼き物、揚げ物と、さまざまな料理に活用されてきました。しかも、ただ美味しいだけではありません。現代人が抱えやすい「疲労」「ストレス」「生活習慣病」「ダイエット」といった課題に、驚くほどマッチした栄養素を持っているのです。
本記事では、イカの魅力を科学的な根拠も交えながら、深堀りしていきます。「イカってこんなにすごかったんだ!」と驚くこと間違いなしです!
イカはなぜ「スーパーフード」なのか?
イカが「スーパーフード」と言える理由は、単一の栄養素だけに頼っていない点にあります。たんぱく質、タウリン、DHA・EPA、ミネラル…多彩な成分をバランスよく含んでいるのです。
高タンパク&低脂質
イカは100gあたり、17〜19gという豊富なたんぱく質を含みます。たんぱく質は、筋肉や肌、髪、爪など体をつくるために欠かせない栄養素です。しかも、脂質はわずか1〜2g程度。カロリーも約80〜90kcalと低めです。
現代の食生活は脂質過多になりがちですが、イカならヘルシーに良質なたんぱく質を摂ることができます。ボディメイクに取り組む人にも理想的な食材です。
タウリンがたっぷり
イカにはタウリンが非常に豊富です。タウリンは「疲労回復ドリンク」の成分として有名ですが、実は食材からも自然に摂取できるのです。
例えばイカ100gには、タウリンが約1000mgも含まれています。これはエナジードリンク1本以上に相当する量。しかも食品由来のタウリンは吸収効率が高いとされ、体への負担も少ないと考えられています。
DHA・EPAも含有
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、主に青魚に多いことで知られるオメガ3脂肪酸です。イカにもこれらがしっかり含まれており、血液をサラサラにしたり、脳機能をサポートする役割を果たします。
特にDHAは、脳の脂質成分の約30%を占めるとされ、認知症予防や集中力アップに注目されています。
ミネラルの宝庫
イカには、亜鉛、銅、セレン、マグネシウムなど、現代人に不足しがちな微量ミネラルもたっぷり含まれています。これらはホルモンバランスや免疫機能を正常に保つうえで不可欠な栄養素です。
イカに含まれる栄養素の健康効果
具体的に、イカのどんな成分がどのように体に良いのかを詳しく見ていきましょう。
疲労回復・肝機能サポート:タウリンの効果
タウリンは、肝臓の解毒作用を高め、アルコールや脂肪によるダメージを軽減する働きがあります。また、細胞膜の安定化や心機能の向上にも寄与するとされ、慢性的な疲労感や倦怠感の改善に役立つことが期待されています。
タウリンの摂取は、高血圧予防、糖尿病予防にもつながるとする研究報告もあり、現代人にとって非常に重要な栄養素です。
脳の活性化・記憶力向上:DHAの力
DHAは神経伝達をスムーズにし、脳細胞の柔軟性を保つために不可欠です。子どもの知育サポートはもちろん、成人以降も、認知機能の低下防止やメンタルヘルスの維持に有効とされています。
最近では、DHAを積極的に摂取している高齢者群が、そうでない群よりも認知症発症リスクが低いという研究結果も発表されています。
免疫力強化・肌の健康:亜鉛と銅
亜鉛は、体内の酵素反応に関わり、免疫力の維持に不可欠です。風邪や感染症に強くなるほか、肌のターンオーバーを正常にする働きも持っています。
銅は、鉄の利用を助け、エネルギー代謝や骨の強化にも役立ちます。銅不足は、貧血や骨粗鬆症リスクを高めるため、積極的に補いたい栄養素です。
ダイエットにも最適な理由
ダイエット中は、単にカロリーを減らすだけでは、筋肉量が減って代謝が落ちてしまいます。そのため、「高たんぱく・低脂質」の食品が求められるのですが、イカはまさにその理想形です。
満腹感が得られる
- イカは食感がしっかりしており、噛み応えがあるため、自然と食事のスピードが遅くなり、満腹中枢を刺激しやすくなります。早食いを防ぎ、過食を防止できるのです。
代謝アップに貢献
- ビタミンB群やタウリンを含むイカは、脂肪燃焼を促進し、エネルギー代謝を高めるサポートもしてくれます。運動前後のたんぱく質補給にも最適です。
さらに、イカは炭水化物もほとんど含まないため、糖質制限ダイエットにも対応可能です。
イカの選び方と保存方法
イカの栄養を最大限に生かすためには、新鮮なものを選び、適切に保存することが重要です。
新鮮なイカの見分け方
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目が透明で濁りがない
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皮にツヤとハリがあり、乾燥していない
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体がしっかり硬く、だらんと垂れ下がっていない
また、独特の「磯の香り」が強く感じられるものは新鮮です。
保存のコツ
買ってすぐに調理しない場合は、以下の手順を。
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内臓と軟骨を取り除く。
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キッチンペーパーで水気を拭き取る。
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一杯ずつラップで包むか、密封袋に入れて冷凍。
この方法なら、1ヶ月程度美味しさをキープできます。解凍は、急速に行わず、冷蔵庫内でじっくり戻すのがポイントです。
おすすめのイカレシピ紹介
イカ刺し
- 新鮮なイカを薄く切り、わさび醤油でいただくシンプルな一品。イカ本来の甘みと旨味がダイレクトに味わえます。大葉やみょうがと合わせるとさらに風味豊かに。
イカと野菜のガーリック炒め
- オリーブオイルとにんにくでイカと季節野菜(パプリカ、ブロッコリー、アスパラガスなど)をさっと炒めるだけ。色どりも鮮やかで、栄養バランスも◎。
ヘルシーイカリング
- 衣を薄めにつけ、オーブンやエアフライヤーでカリッと焼き上げるヘルシーアレンジ。ソースはタルタルではなく、レモンやハーブソルトでさっぱりと仕上げるのがおすすめです。
まとめ
「イカ」と聞くと、手軽で親しみやすい海の幸というイメージが強いかもしれません。しかし、その内側には、私たちの健康をサポートしてくれる多彩な栄養素がぎっしり詰まっています。
高タンパク・低脂質というダイエットの味方でありながら、疲労回復、脳の活性化、免疫力アップ、貧血予防など、幅広い効果が期待できるイカ。しかも、比較的リーズナブルで手に入りやすく、料理のバリエーションも豊富です。
これからは、スーパーフード探しに海外に目を向けるだけでなく、身近な「イカ」にもぜひ注目してみてください。
日常に取り入れるだけで、あなたのカラダと心に嬉しい変化が訪れるかもしれません。