私が今読んでいる本に興味深いことが書いてある。
『バカは自分がバカであることに気づいていない、なぜならバカだから』
ギクッ‼っとしたのは私だけではないはず(≧▽≦)
1995年、アメリカのピッツバーグで男が二つの銀行に押し入った。変装もせずに。監視カメラの映像が公開され、一時間もしないうちに逮捕された男は、顔にレモン汁をつけると監視カメラに映らないと思っていたらしい。
この話を知った心理学者のデビット・ダニングは「人間はなぜこれほど愚かになれるのか」と疑問に思い、博士課程のジャスティン・クルーガーと共に、コーネル大学の学生を使ってある実験をした。(実験の詳細は本を読んでください)
学生たちにテストを受けさせ、実際の点数と自己評価を比較したのだ。
すると、下位1/4の学生の実際の平均スコアが12点だったのにもかかわらず、自分たちの能力は68点だと思っていたらしい。
一方、上位1/4の学生は実際の平均スコアが86点にもかかわらず、自分たちの能力は74点しかないと思っていた。
能力の低い学生が自分を470%過大評価していたのに対し、能力の高い学生は14%過小評価していた。
その結果、テストの成績では12点と86点という大きな差があるにもかかわらず、下位と上位の学生たちの自己評価は68点と74点でほとんど同じになってしまったのである。
つまり『バカは自分がバカであることに気づいていない』のだ。
バカに引きずられる
皆さんは『集合知』という言葉をご存知だろうか。ある問題に対して、「1人の専門家より大勢の素人の方がいい答えを出す」というものである。
わかりやすい例でいえば、大喜利。プロの芸人より何万人という素人の方が面白い答えを出すというところを目にしたことは一度や二度ではない。ラジオリスナーが送る葉書やファックスもそうだ、目を見張るような秀逸な答えが返ってくる。
しかしこの秀逸な答えを出すにはある条件がある。それは、大勢の人間同士が干渉しあわないことらしい。つまり互いに話し合ったりしてはいけないのだ。
みんなの話し合いで決めた答えは平均以下の最悪なものになる。それはなぜか。最初に書いた通り、自己評価が異常に高いバカに自己評価が低い優秀な人間が引きずられるというのだ。
皆さんも思い当たることがあると思います。政治、会社や学校の規則に至るまで、なんでこんなバカげたことが決められているのだろうかと不思議に思ったことがありますよね。その答えがここにあるのかもしれません。
自己評価の高いバカが上司や役員にいると、意思決定は悲惨なものになるでしょうね。
この悲劇を避けるのにもっともよい方法は、一定以上の能力を持つものだけで議論すること。これを実践しているのがシリコンバレーのIT企業だそうです。
世界中からとてつもなく賢い若者を集め、明快なミッションを与えて協議させることで極めて効率的な組織を生み出したと言います。
それともう一つ。集団での意思決定をしないこと。創業者のワンマン経営で会社が急成長するのは日本だけではなく、アップルやAmazon、テスラモーターズを見てもわかるように世界的な現象です。
つまり優秀な独裁者の意思決定によって、バカに引きずられる効果を避けられるからなのかもしれません。
「バカと利口が熟議すると悲劇しか生まない」
これが結論です(^_-)-☆
まだ全部読んではいませんが、非常に面白い本です。ありがとうございました。