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【実話】頼まれた荷物を届けた集落

今から24年前、当時私は愛知県で働いていました。以前のブログにも書きましたが、送電線を張ったり、鉄塔を建てる仕事です。

住み込みでプレハブ小屋みたいな所で寝泊まりしていて、私の他にも数人の先輩職人が住んでいました。

歳は私が一番若くて下っ端でしたので、たまに先輩の雑用みたいなこともやらされたりしていて、当時私はそれが嫌なわけではなく「一番下なのだから当然のこと」と思っていました。

ある休みの日に40代の先輩から「この封筒をこの住所の家に届けてほしい」と頼まれました。郵便局に頼めばいいのに…と思いましたが先輩は絶対ですので、会社の車を借りて書いてある住所まで走りました。

私は愛知県の人間ではないので道はあまり知りませんし、行ったことがない地域などいくらでもあります。封筒に書いてある住所までは先輩に地図を描いてもらって行きましたが、初めて来た場所でした。

本当に田舎の集落といった感じの場所で、雰囲気も暗く、空気も澱んでいるような、一秒でも早くここを立ち去りたいと思うほど嫌な感じがしたんです。

両側にバラック小屋みたいな古い家が並んでいて、中央を舗装されていない道が走っています。住所はその先になっているので、ゆっくりと車を走らせながら進んでいくのですが、進めば進むほど道が狭くなっていくんです。

 


とうとうこれ以上車では進めないほど道が狭くなりました。先の方を見ると、細い道の上に古い大きな家が建っています。そこが目的地でした。しょうがないので車を降りて歩いて向かいました。

玄関に呼び鈴がなかったので、外で大きめの声で「すいませ~ン」と言いましたが反応がありません。試しに扉を開けてみたら鍵がかかってなかったので少し開けてまた「すいませ~ン」。

反応がありません。しかし人がいる気配はするのです。あなたもわかると思いますが、人がいるときってなんとなくわかりますよね?

絶対に人はいるんです。奥の部屋からなにか気配を感じるんです。今度はかなり大きな声で「すいませ~~ン!」

なにか強烈な視線を感じます。ふと右上を見ると、壁の小窓からお婆さんが私を見ていました。

殆ど腰を抜かしながらも「頼まれた荷物ここに置いておきます!」と言って封筒を投げ捨てるように置いて必死で車に戻ってきました。

そして来た道をバックで猛スピードで走り、その集落を抜けました。半ば放心状態です。今思い出してもゾッとします。

喉が渇いていましたがコンビニに寄る気力もなく、真っすぐ寮に帰りました。

次の日に先輩を問いただしたところ、「あ~わりぃわりぃ」「あそこ○○人の部落なんだよ」と言われ、「コイツ💢」と思いましたが我慢。

そして最後に「あいつらは仲間意識が強いから気を付けろよ」「1人殴ったら10人ぐらいで仕返しに来るからな」とも。

行かせたのはお前だろ~が!(心の声です)

郵便局を使わない理由がわかりましたよ。これは私の勝手な憶測ですが、あそこ多分日本のサービスとは別のネットワークがあると思います。

今でも思います。あの封筒の中身は何だったのだろうと。

そして先輩。あんた、あそこの人たちとどんな繋がりがあるんだよ…