あせもは、暑い季節になると気になる肌トラブルの一つです。あせもは、汗腺が詰まって炎症を起こすことで発生するもので、赤い発疹やかゆみ、痛みなどの不快な症状が現れます。
誰にでも起こり得る炎症ですが、特に赤ちゃんや高齢者、肥満や皮脂分泌が多い人は注意が必要です。では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。この記事では、あせもの原因と予防法について詳しく解説します。
あせもの原因
あせもとは、汗腺が詰まって起こる皮膚の炎症です。暑い季節や運動後によく見られますが、冬でも発生する可能性があります。原因は、主に以下の3つに分けられます。
汗の分泌量が多い
人間は体温調節のために汗をかきますが、汗の分泌量が多いと汗腺に負担がかかります。そして汗腺が過剰に刺激されると、炎症を起こすことがあります。また、皮膚表面に塩分や老廃物が残りやすくなり、皮膚を刺激したり、細菌の増殖を促したりすることで、あせもを悪化させる可能性があります。
汗の蒸発が妨げられる
汗の蒸発が妨げられる場合は、皮膚表面に水分が溜まります。これは、暑さや湿度が高い環境や、密着した衣服や下着を着用することで起こります。水分が皮膚表面に溜まると、皮膚の温度が上昇し、汗腺に圧力がかかります。
また、水分は皮膚をふやかして柔らかくしますが、これは皮膚のバリア機能を低下させることになります。バリア機能が低下すると、皮膚は外部からの刺激や細菌に対して弱くなります。
私は10年以上前に両肘の内側にあせもができたことがあるのですが、当時の職場は真夏でも長袖長ズボン、それにヘルメットを被らなきゃいけない仕事で、我慢できない私は、両袖を肘のところまでまくっていました。
当然肘の所に作業服の布が固まってしまい、汗の蒸発が妨げられて、あせもができたんだと思います。大人になってから初めてできたあせもだったので、それがあせもだと気づくまでにかなり時間がかかりました(笑)
過酷な環境で仕事をなさっている方……お察ししますm(__)m
汗腺の開口部が狭くなる
汗腺の開口部が狭くなる場合は、皮脂や角質などが詰まってしまうことで炎症が起こります。これは、皮脂分泌量が多い人や乾燥肌の人に多く見られます。
皮脂分泌量が多い人は、皮脂と汗が混ざって汚れを作りやすくなります。乾燥肌の人は、角質層が厚くなって汗腺の開口部を塞ぎやすくなります。汗腺の開口部が詰まると、汗が外に出られずに溜まってしまいます。
これは、汗腺に圧力をかけて炎症を引き起こすだけでなく、溜まった汗が皮膚内部で発酵して刺激物質を作る原因にもなります。
予防策
あせもは、放置すると皮膚感染症や皮膚の色素沈着などの合併症を引き起こす可能性があります。そこで、あせもの予防策について、以下のポイントをお伝えします。
汗をこまめに拭き取る
汗は、あせもの原因となる汗腺を詰まらせるだけでなく、細菌の増殖にもつながります。そのため、汗をかいたらすぐにタオルやティッシュで拭き取ることが大切です。特に、首や胸、脇などの汗が溜まりやすい部分は注意しましょう。
通気性の良い服を着る
あせもは、皮膚が蒸れてしまうと発生しやすくなります。そのため、通気性の良い服を着ることが予防策の一つです。綿や麻などの天然素材やメッシュ素材などの服を選びましょう。また、服はゆったりとしたサイズを着ることも重要です。服が肌に張り付くと、汗の蒸発が妨げられてしまいます。
保湿と保水をする
あせもは、乾燥肌の人にも起こりやすいです。乾燥肌は、皮膚のバリア機能が低下してしまうため、細菌や刺激物に対して弱くなります。そのため、保湿と保水をすることが予防策の一つです。
保湿は、水分を補給することで皮膚を柔らかくすることです。保水は、水分を逃さないようにすることで皮膚を潤すことです。保湿と保水をするには、無香料・無着色・低刺激の化粧水や乳液などを使ってスキンケアを行いましょう。
スキンケアについてはこちらをご覧ください⇩
食事や生活習慣に気を付ける
あせもは、食事や生活習慣にも影響されます。辛いものや油っこいものなどの刺激物は、汗の分泌量や臭いを増やすため、避けるようにしましょう。
また、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用のある食品は、皮膚の健康に良いため、積極的に摂るようにしましょう。
さらに、睡眠不足やストレスもあせもの原因となります。十分な睡眠時間を確保し、リラックスできる方法を見つけてストレスを解消しましょう。
こちらの記事で抗酸化作用を持つナッツを紹介しています⇩
あせもができたときの対処法
あせもは赤く小さなブツブツができたり、かゆみや痛みを感じたりすることがあります。重症化すると、水ぶくれや化膿したりすることもあります。放置すると悪化する可能性があるので、早めに治療することが大切です。
では、あせもができたときの治療法はどうすればいいのでしょうか?ここでは、自宅でできる対処法と医師に相談すべき場合について説明します。
まず、自宅でできる対処法としては、以下のようなことが挙げられます。
涼しい場所に移動して汗を拭き取る
汗をそのままにしておくと、汗腺が詰まりやすくなります。また、汗に含まれる塩分や皮脂が刺激になってかゆみや炎症を悪化させることもあります。そのため、汗をかいたらすぐに涼しい場所に移動して、清潔なタオルやティッシュで優しく拭き取りましょう。
あせもの部位を清潔に保つ
あせもの部位は細菌感染のリスクが高いので、毎日清潔に保つことが重要です。シャワーを浴びる際には、あせもの部位を優しく洗って、残留物を落としましょう。また、タオルや衣類は毎日取り替えて、清潔なものを使用しましょう。
保湿剤や冷却剤を塗る
あせもは乾燥や刺激に弱いので、保湿剤や冷却剤を塗って肌を保護することがおすすめです。保湿剤は無香料・無着色・低刺激のものを選んでください。冷却剤はメントールやカモミールなどの成分が入ったものが効果的です。
ただし、あせもが水ぶくれや化膿している場合は、保湿剤や冷却剤を塗らないでください。それらの製品は皮膚を閉じ込めてしまって、細菌感染を促進する可能性があります。
抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使用する
あせもがかゆみや炎症を伴う場合は、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使用することで症状を和らげることができます。抗ヒスタミン薬は市販されているものでも効果がありますが、眠気などの副作用に注意してください。
ステロイド薬は医師の処方が必要ですが、強力に炎症を抑えることができます。ただし、ステロイド薬は長期間使用すると皮膚が薄くなったり、色素沈着や毛細血管拡張などの副作用が起こる可能性があるので、医師の指示に従って使用してください。
次に、医師に相談すべき場合としては、以下のようなことが挙げられます。
- あせもが広範囲に及んでいる場合
- あせもが水ぶくれや化膿している場合
- あせもが高熱や悪寒などの全身症状を伴っている場合
- あせもが1週間以上改善しない場合
これらの場合は、あせもが重症化している可能性が高いので、早めに医師に診てもらうことが必要です。医師はあせもの原因や程度に応じて、適切な治療法を提案してくれますので、迷わず早めに診てもらってください。
まとめ
あせもは、汗腺が詰まって炎症を起こす皮膚のトラブルです。夏場に多く見られますが、冬場に暖房器具や重ね着で発汗するときにも起こります。
汗をかいたときに肌の表面に残った汗や皮脂が、汗腺の出口をふさぐことで、汗が皮膚の中に溜まって炎症を引き起こします。あせもは、赤いブツブツやかゆみ、痛みなどの症状を引き起こします。重症化すると、細菌感染や水ぶくれなどの合併症を起こすこともあるので注意してください。
あせもを予防するには、以下のことに注意しましょう。
- 汗をかいたらすぐに拭き取るか、シャワーで洗い流す。
- 通気性の良い服や下着を着用する。
- 暑い日や運動後は、冷房や扇風機などで体温を下げる。
- 水分や塩分をこまめに補給する。
- ストレスや刺激物を避ける。
あせもは、早めに対処すれば治りやすいですが、放置すると悪化する可能性があります。自分で治らない場合は、皮膚科医に相談しましょう。
そして何より予防が一番です。この記事では、あせもの原因と予防法について説明しました。あせもに悩まされないように、日頃から肌のケアを心がけましょう。