あなたは食虫植物と聞くと、どんなイメージを持ちますか?恐ろしいもの、不思議なもの、魅力的なもの…人によってさまざまな感想があるでしょう。しかし、食虫植物はただ虫を食べるだけではありません。
実は、食虫植物には多くの種類があり、それぞれに特徴や魅力があります。食虫植物は、水や栄養の少ない環境で生きるために、虫を捕らえて消化する能力を持つ植物です。
そのため、独自の形や色、香りを持ち、虫を誘い込む仕掛けを持っています。食虫植物は、世界中に約600種類以上存在し、日本でも約20種類が自生しています。
この記事では、その中でも特におすすめの種類を紹介します。食虫植物は、観賞用だけでなく、害虫防除や空気浄化などの効果も期待できます。食虫植物に興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
食虫植物とは
食虫植物とは、虫や小動物などを捕らえて消化する植物の総称です。食虫植物は、栄養分の少ない土壌に適応するために、動物性のタンパク質を補給する能力を獲得しました。世界に約600種類あり、世界中のさまざまな環境に分布しています。
食虫植物は、捕虫器官と呼ばれる特殊な器官を持ち、それぞれ異なる仕組みで獲物を捕らえます。例えば、ウツボカズラは、葉の先端にある壺状の器官に甘い液体を分泌して虫を誘い込み、滑りやすい内壁と逆向きの毛で逃げられなくします。
モウセンゴケは、葉の表面に粘液を出して虫をくっつけてしまいます。ハエトリグサは、葉の表面にある二枚の扉状の器官で虫を挟み込んで閉じ込めます。食虫植物は、捕らえた獲物を消化液で溶かして栄養分を吸収します。
一般的な植物と同じように光合成も行いますが、土壌からの窒素やリンなどの吸収が不十分なため、動物性のタンパク質が必要です。また、食虫植物は人間にとっても有用な植物です。
例えば、ハエトリグサは、蚊やハエなどの害虫を減らす効果があります。また、その美しさや珍しさから観賞用に栽培されることも多くあります。
おすすめの食虫植物
モウセンゴケ
モウセンゴケは、葉の表面に粘液を分泌する毛状の突起を持ち、これに触れた小さな昆虫やダニなどを捕らえます。粘液には消化酵素が含まれており、捕らえた獲物の栄養素を吸収します。
モウセンゴケは水やりが多すぎると枯れてしまいますし、水やりが少なすぎると粘液を分泌しなくなります。また、肥料や農薬も与えてはいけません。モウセンゴケは栄養分の少ない環境に適応しているので、肥料や農薬は逆効果です。
モウセンケゴを育てる場合は、水はけの良い土壌や赤玉土などを用意し、日当たりが良く風通しの良い場所に置きましょう。虫は与えなくても大丈夫です。
ウツボカズラ
ウツボカズラの特徴は、花弁のように見える部分が実は葉であり、その中に液体が溜まっていることです。この液体は、虫を誘引する甘い香りを放ちますが、同時に消化液でもあります。
虫がウツボカズラの葉に入ると、葉の縁にある毛が閉じて、虫を逃がしません。そして、消化液によって虫は分解されて栄養となります。
ウツボカズラは高温多湿を好みますが、直射日光は嫌います。また、水やりは適度に行い、水は軟水や雨水を使うことが望ましいです。さらに、消化液が減った場合は、人工的に虫を与える必要があります。
虫を与えるのが苦手な人は、生育期である5月~8月頃に、月1回ほど液体肥料ハイポネックス原液を2,000倍に希釈して与えれば、エサとして虫をあげる必要もありません。
ハエトリソウ
ハエトリソウの特徴は、葉の先端にある2枚の扉状の部分で、この葉の内側には3~4本の小さな毛があり、獲物がその毛に2回または2本同時に触れると、2枚の葉が閉じて獲物を捕らえます。
その後、葉から分泌される消化液で10日間かけて栄養を吸収し、吸収し終わると葉はまた開いて獲物の死骸を捨て、再び獲物を待ちます。葉には寿命があり、一枚の葉が捕らえる回数は4~5回位です。
また、葉を閉じる行為は相当なエネルギーを消費するため、イタズラに葉を閉じさせ続けてしまうと、葉はおろか株全体が衰え、しまいには枯れてしまうので注意してください。肥料は必要ありません。
ハエトリソウは、食虫植物の中でも比較的育てやすい方ですが、以下の点に注意する必要があります。
・基本的に地植えはできないので鉢で育てる。
・常に湿った状態を保つ。夏は1日2~3回水やりをする。
・日当たりが良く風通しが良いところに置く。
また、今回紹介した食虫植物全てに当てはまることなのですが、最も適した用土は水苔です。そして水苔は長く使っていると悪くなるので、1年に1回植え替えをしてください。時期は1~2月が適しています。
まとめ
この記事では、食虫植物の魅力とおすすめの種類を紹介しました。食虫植物は、虫を捕食することで栄養を得る独特の植物です。その姿は美しく、見ているだけで楽しめます。
また、害虫を減らす効果もあります。食虫植物にはさまざまな種類がありますが、ここでは初心者向けに育てやすいものを3つご紹介しました。それぞれに特徴や育て方のコツがありますので、ぜひ参考にしてください。
食虫植物を育てることで、自然の不思議や驚きを感じることができます。あなたも食虫植物の世界に足を踏み入れてみませんか?