愛知県名古屋市の会社を辞めた私は、買ったバイクでまずは東京へ。池袋に友達がいたのでそいつの家に2,3日厄介になりました。その友達は声優を目指していて、仙台の声優養成所を出た後、三ツ矢雄二さんの事務所にお世話になっていたみたいです。
先輩声優の方とルームシェアしていて、先輩の方は結構仕事あると言ってたので今頃有名な声優だったりして…。名前聞いたけど忘れたな~。私の友達は今現在ディズニーランドで働いています。
次に向かったのは栃木県宇都宮市。そこには幼稚園から一緒だった友達がいました。そいつはなぜか居候の身で、3姉妹で一軒家を借りてる所の長女の部屋に住んでいたんですが、そこに私も2,3日泊めてもらうという、ちょっと気まずい状態になりました^^;
そんな私の気も知らず、長女はずっとパラパラの練習(昔パラパラというダンスがはやってたんです)。ミニスカートがずり上がってきてパンツが丸見えでも全く意に介さない目的意識。まさにジャックハンマーそのものでした。
次に向かったのは福島県。私の地元です。実家には寄らず、銀行に寄って全財産を下ろします。まぁ10万円ぐらいしかなかったですけどね(笑)。
北の大地へ
全財産を下ろし、実家にもよらずに北上。仙台港からフェリーに乗り苫小牧へ。フェリーの中で出会ったバイク乗りの2人と飯を食ってから別れ、私は札幌方面へ。
目的地などありません、ただ走るだけです。ツーリングの話は長くなるので割愛しますが、これだけは言わせてください。私にとって初めての北海道、最高でした!
ひと通り走ってお金が尽きたころ、仕事探さないとまずいことに気づきます。バイクのローンもあるし何より生きなくちゃならないわけです。当然住むところもないしお金がないのでホテルにも泊まれません。
考えた結果公園で寝泊まりすることに決めました。場所は大麻(おおあさ)という所だったと思います。季節は初夏、6月だったので死にはしないだろうと。
問題は仕事です。なんせ住所がないわけですから。何回か面接に行きましたが公園で寝泊まりしていると言うと大体その場で落とされました。まぁ当たり前ですけどね。そんなこんなで苦戦していたんですが、やっと引っ越し屋さんのバイトに就くことができました。
しかも日払いだったのでホームレス状態の私には最高の職場でした。日当6000円だったかな?安いと思うかもしれませんが、当時北海道の最低賃金が550円ぐらいだったと思うのでそれを考えると良いほうじゃないかな。今は900円超えましたよね。
北大の学生との仕事
私がバイトしていた引っ越し屋さんには、北海道の最高学府『北海道大学』の学生がいっぱいいました。話してみるとやっぱりみんな賢かったですね。私とは頭の出来が違います(>_<)
しかしここは引っ越し屋、頭よりも体を使う仕事です。重い物を持ったりしますし、何人かで大きいものをもって運ぶので1人がもたつくと効率が悪くなります。学生たちはよく怒鳴られてました。怒られてへこんでる学生を励ますのが日課みたいになってましたよ(笑)。
ちなみにそこで働いているベテランのおじさんに聞いた話ですが、昔の引っ越し業界では給料よりもお客様からのチップのほうが多かったらしいです。いまはチップをくれるお客さんなんてほとんどいませんが、昔は引っ越しの途中で高いステーキをごちそうになったりとか、チップだけで月に30万円以上もらったなんて事もあったそうです😲
ある土砂降りの雨の日、バイク通勤だった私は、これじゃバイクに乗れないと思い会社に電話して「土砂降りでバイクに乗れないので休みます」と告げました(完全に仕事舐めてますよね)。電話の向こうの上司に怒鳴られました。「雨降ったから休みますなんて通用するわけないだろう!ふざけるな!」と。
そしてその上司は迎えに来てくれました。あの時怒鳴っていただいて本当に良かったと今では思えます。ありがとうございました。
迫りくる冬、北海道脱出
夏も終わり9月に入った頃、ふと思いました。このまま冬に入ったらさすがに俺死ぬよなと。しかし金もないしどうしようかと考えたとき妙案が浮かびます。派遣会社に登録して道外に脱出しようと。そうすれば旅費も出るし住むところも確保できるじゃないですか。
早速引っ越し屋さんを辞め、無料の求人雑誌を漁り、札幌まで面接に行きました。途中一方通行を逆走していたみたいで、信号待ち中に女性が近づいてきて「ここ一方通行ですよ」と優しく注意されました。札幌は道路が広いのに一方通行が多すぎてわけわかんなかった(笑)。
派遣会社なので面接も簡単に終わり、私は山梨県の韮崎市にある半導体の装置を作っている会社に行くことに決まりました。もちろん旅費も出ます。
さらば北海道!悠久の時を刻む北の大地よ!私は大志を抱きここを去る。それは金を求める大志ではなく、利己心を求める大志でもなく、名声というつかの間のものを求める大志でもない。人間としてあるべき全てのものを求める大志である。
クラーク博士の言葉を借りればこんな感じですかね(≧▽≦)
続きは次回。
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